当院の院長・平野眞英は、日本泌尿器科学会専門医の資格を取得しています。以下は、泌尿器科で受診できる主な病気です。気になる症状がございましたら、ご相談ください。
前立腺肥大症
55歳以上の5人に1人が悩む病気
前立腺肥大症に悩む人の数は、年齢が高くなるにつれて増えています。増え始めるのは50歳を過ぎてから。 統計によれば、日本の55歳以上の男性の2割、5人に1人に前立腺肥大の症状があることがわかっています。
前立腺肥大症とは?
膀胱の下にある前立腺が肥大して、尿道を圧迫し、排尿障害を起こす病気です。
前立腺肥大症の症状
前立腺肥大の症状は、具体的には次の7つがあげられます。
- 排尿後、まだ尿が残っている感じがする(残尿感)
- トイレが近い(頻尿)
- 尿が途中で途切れる(尿線途絶)
- 急に、尿意をもよおし、もれそうで我慢できない(尿意切迫感)
- 尿の勢いが弱い(尿勢低下)
- おなかに力を入れないと尿が出ない(腹圧排尿)
- 夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)
診断と治療
一般的に初診時に行なわれるのは問診です。国際前立腺症状スコア(I-PPS)という症状の程度を調べる質問票を使って、症状とその程度を点数化する方法もあります。自覚症状の程度がわかったあとは、前立腺や膀胱、尿道の状態を調べるための検査を行うことがあります。排尿障害があるからといって、必ずしも前立腺肥大症とは限りませんから、他の病気の可能性も含めて確認するための検査です。
初診で行う検査は、腹部エコー検査、血液検査、尿検査などです。これらは比較的簡単な検査です。
更に詳しく調べるための前立腺肥大症の検査としては、直腸内指診、尿流測定、残尿測定、直腸エコー検査、X線検査などがあります。
治療には薬による治療と手術、その他の治療法があります。
前立腺がん
前立腺肥大症と同じように、前立腺がんも年齢が高くなるにつれて、増えてくる病気です。また、前立腺がんは、もともと欧米人に多い病気ですが、日本でも生活が豊かになり、高齢化の進展とあいまって、患者数が急増しています。厚生労働省の統計によると、1975年には前立腺がんによる死亡者数は年間1000人強でしたが、1993年には4000人以上、2002年には8000人以上と、急激な勢いで増えています。現在、日本での患者数は100万人以上いるといわれ、50歳以上の男性の約300人に1人がかかっています。
診断と治療
血液検査で、血液中のPSA(前立腺特異抗原)をはかります。最近は健康診断などでPSAを測ることも増えてきました。前立腺がんがあると、PSAは高値となります。PSAが高いときには、エコー検査や前立腺の組織をとる生検(バイオプシー) を行い、前立腺がんと診断されたきは、CT、MRI、骨シンチグラフィーなどの検査に進み
ます。(当院では日帰り前立腺生検検査も行っています。)
治療には内分泌療法、手術療法、放射線療法などがあります。
過活動膀胱
過活動膀胱とは?(症状)
過活動膀胱は「急に我慢できないような尿意が起こる」「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなり、我慢 ができず尿が漏れてしまうことがある」などの症状を示す病気です。
患者数
40歳以上の男女の8人に1人が、過活動膀胱の症状をもっていることが、最近の調査でわかりました。
実際の患者さんの数は、800万人以上ということになります。この中で、切迫性尿失禁がある人は、約半分でした。
原因
過活動膀胱には、脳と膀胱(尿道)を結ぶ神経のトラブルで起こる「神経因性」のものと、それ以外の原因で起こる「非神経因性」のものがあります。
診断と治療
一般的に初診時に行われるのは問診です。どんな症状で困っているのかを具体的に伝えましょう。過活動膀胱かどうかを調べるための過活動膀胱スクリーニング質問票や、過活動膀胱の症状の程度を調べるための過活動膀胱症状質問票(OABSS)という簡単な質問票があります。これらの質問票が診断のために使われることがあります。問診以外には、膀胱の状態を調べるための検査を行うこともあります。
排尿に関係した症状があるからといって、必ずしも過活動膀胱とは限りません。他の病気の可能性も含めて確認するための検査です。初診で行う検査は、主に、腹部エコー検査(残尿量の測定)、血液検査、尿検査などです。これらは比較的簡単な検査です。不安がらずに早めに医療機関を受診しましょう。
過活動膀胱の検査には他に、尿流測定、パッドテスト、ストレステストなどがあります。
治療には薬による治療と薬を使わない行動療法といった治療法などがあります。
急性膀胱炎感染症
女性に多くみられます。排尿痛、残尿感、頻尿、尿の濁りなどが主な症状です。通常は抗菌薬の服用ですぐに治ります。
尿道炎感染症
おもにセックスで淋菌やクラミジアなどの病原微生物に感染し、尿道内に炎症を起こすものです。
排尿痛や尿道から膿が出るなどの症状があります。
尿検査や尿道からの分泌物から原因菌をつきとめ、それに応じた抗菌薬を内服します。
尿路結石
腎臓、尿管、膀胱、尿道などに石がたまる病気です。腎臓や尿管に石がたまると、激痛があり、石が膀胱の入り口付近にあると頻尿や残尿感があらわれます。治療法は石の大きさや位置によって異なります。
1cm以下の小さい石ならば、水分を多くとって運動をすると、尿と一緒に出てしまう場合もあります。
それ以外の場合で最も多く行われている方法は、「体外衝撃波砕石術」といって、専用の装置を使って体外から衝撃波を当てて石を壊す方法です。それでも壊れない場合は、尿管に金属の棒を入れて直接空気圧などで石を壊します。腎臓内に大きな石が詰まってしまったようなケースでは、腎臓に内視鏡を入れて石を砕きます。また、開腹手術をして摘出する場合もあります。
(手術が必要な場合は他院へご紹介させていただきます。)
膀胱がん
膀胱にできる悪性の腫瘍です。症状が膀胱炎とよく似ているため見逃されやすく、注意が必要な病気です。
女性よりも中高年以上の男性に多くみられると言われています。 痛みを伴わない血尿、頻尿・排尿時の痛み・残尿感などがみられます。
腎臓がん
腎臓は、みぞおちの高さの背中側に背骨をはさんで左右一対ある、ソラマメのようなかたちをした臓器です。
血液をこして尿を生成したり、血圧のコントロールに関するホルモンや造血に関するホルモンを産生するなどの働きをしています。
成人の腎臓にできる悪性腫瘍のうち、最も多いものがRCCです。日本人のRCC患者は人口10万人に4 ~5人ほどで、50歳から70歳代に多く発生しています。
なお、RCCは、喫煙者や肥満、高血圧の人に多く発症するということがわかっています。
発生しやすい家系があることも知られており、遺伝子の解析技術が進んで、発病前から将来RCCにかかることが予測できるまでになっています。
ただし、予防法や治療法などについては研究が行われている段階です。
RCCは大きくなると、尿に血が混じったり、原因のはっきりしない発熱、体重減少などの全身症状が現われてきます。しかし直径5センチ程度の大きさまでは、ほとんど症状はありません。
そのため以前はかなり進行してから発見されるケースが大半を占めていましたが、最近は超音波検査やCT 検査などが普及したことにより、健康診断や他の病気で検査を受けた際に偶然発見される、症状のない小さなRCCの発見されるケースが増えてきています。
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